バングラデシュ中央銀行のサイバー犯罪(続報)

バングラデシュの国有銀行事件の続報です。
Maia Santos Deguito

フィリピンのマネー・ロンダリング防止制度に大きな欠陥があることが明るみにでたことで、海外に稼ぎに出てフィリピンの家族などに送金する人たちとって大きな負担になる。送金手数料が高くなるとのことです。当然、フィリピンの銀行に対する世界の評価がガタ落ちになった。

この事件では、この2月にバングラデシュ中央銀行のニューヨーク連銀への預金のうちから1億100万ドルが何者かにより巧妙なサイバー操作により盗み出された。その要因にフィリピンではマネー・ロンダリング防止法からカジノが対象外とされていたことにある。
フィリピンでは2013年にその法律ができたのだが、カジノ産業を育成する観点から対象外とされてしまった。

今回のフィリピンの議会の公聴会の調査においてフィリピンの銀行に送金された金額はカジノとオンラインゲームの会社に流れ賭けのチップに交換された。(マネー・ロンダリング)

フィリピンに流れた8,100万ドルのうち僅か7万ドルがバングラデシュに返金されたのみ。スリランカに振り込まれた2,000万ドルについては凍結されている(バングラデシュに戻ることになろう)。

約8,100万ドルはRCBCという金融機関にニューヨーク連銀から振り込まれた。この金額について資金移動をバングラデシュから要請されたに関わらずMaia Santos Deguitoはそれを無視した。しかし、彼女の弁護士はMs. Deguitoは法的な責任は無いと言っている。

この金の移動をおこなったフィリピンの送金仲介会社のトップは以下のように証言している。カジノの運営関係者「 Weikang Xu at Solaire Resort & Casino」にRCBCからの8,100万ドルの内2,900万ドルを資金移動した。3,000万ドルはキャッシュで Weikang Xu 氏に渡した。
残りの2,100万ドルはEastern Hawaii Leisure Co.という現地のオンラインゲーム会社に振込処理したと。
Solaireの弁護士は、Mr.Xuへの支払いを確認した。しかし、Xuはコメントを控えている。オンラインゲーム会社の方は会社の責任者はシンガポールにいて病気治療中で証言できないと弁護士が語っている。しかし、3月29日に予定されているフィリピン議会の公聴会には出る予定とのこと。

フィリピンでは、海外に出稼ぎにでる国民が多いのだけど、今回の事件がこの人達の国内への送金において大きな支障を来すことになるだろう。

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