SpaceX 社が第一弾ロケットの回収に成功!
4月9日早朝(日本時間)にアメリカのSpaceX社が Falcon9ロケットを打ち上げ成功いたしました。
この打ち上げで、なんといっても注目されたのがロケットの第一段目を海上に浮かべた無人の艀(バージ=英語ではdrone ship としています。小さなしかも波間に浮かんで居ます。)に軟着陸させることです。いままで4回ほど試みて失敗しています。陸上に軟着陸させるのは昨年12月に一回行いこれは成功しています。
下のビデオは9日の成功した時のものです。
下の絵は、ロケットの軌道と第一段ロケットの降下を表したものです。このように海上に回収するのは燃料の節約のためです。第一段ロケットが切り離されてから、打ち上げのあった地点に近い陸地まで誘導することも可能です。しかし、それでは打ち上げに必要な貴重な燃料を回収のために多く消費することになります。それを避けるにはどうしても切り離されてから自然に落下してくる地点で回収することが求められます。ロケットに充填した燃料(液体酸素と液体水素)は搭載した宇宙船「Dragon」を安全にしかもなるべく高い高度にコスト安く運ぶのに使いたいということです。
第一段ロケットを回収出来るということは、大幅な打ち上げコストの縮小につながります。SpaceX社のCEOであるElon Muskは、これを「ニューヨークからロサンゼルスへ旅客機が飛行する度に機体を使い捨てしているのが現在のロケット打ち上げの状況だ。」と解説しています。少し大げさでしょうが、彼はロケットの再利用が実現すれば打ち上げコストは100分の一になるとまで言っています。一回打ち上げのコストは70億円前後らしいです。燃料費は20万ドルとのこと。(日本のJAXAの打ち上げはコストが高いので100億を超えるのが実態らしいです。)実際には、現在のコストの30%くらいまで引きさがるとSpaceX社の社長Gwynne Shotwellさんは先日記者会見で言っていました。
現在の宇宙開発では、ロケット打ち上げコストを如何に引き下げるかの苛烈な競争が起こっています。衛星を宇宙に飛ばしたいと希望する国や企業・研究機関は世界に無数といえるほど存在します。安くなれば一挙に注文が殺到します。日本では種子島から打ち上げますが、年に3回〜4回がせいぜいです。コストダウンが図れない状況にあるので難しい。(打ち上げ場所はできるだけ緯度の低い方が有利です。種子島はその点でも若干不利ですね。)日本とアメリカでは宇宙開発の技術力格差が極めて大きいというのが正しい見方でしょうかね。
このElon Muskの会社SpaceX社は、今後ほぼ月に2回のペースで打ち上げを行います。(来月の打ち上げでは日本からの依頼した衛星を運ぶようです。) そして、2〜3年後くらいになると週に一回というようなペースになります。この頃には「宇宙観光」がビジネスとして登場してくるでしょう。1,000万円くらい出すと普通の人が宇宙に行って無重力を体験ができる日がもうそこまで来ているのです。
今回の打ち上げでは、ISS(国際宇宙ステーション)へ物資を運ぶためのDragonカプセルを載せて行きました。多くのISSでの生活などで必要とされる資材・食料、実験器具や素材などを格納したカプセルです。それ以外に大きく注目されている搭載物が「居住空間をつくるための試験設備」expandable habitatを運んだことです。BEAM(Bigelow Expandable Activity Module) と名付けられています。
「宇宙ホテル」の試験機 打ち上げへ
小さく折りたたんだ機材が宇宙に行くと大きく膨らみます。そこに人が住めるかどうかを2年掛けて調査します。下の絵のように膨らみます。素材は防弾チョッキに使われるものと同じらしいです。宇宙ゴミが衝突しても大丈夫である設計になっているのです。今回は実験用のためすこしコンパクトなもので、2年間の実験が成功したらもう少し大きなものを運ぶことになります。これは火星への人間を送り込むときを展望しています。火星に人を送り一定の期間住まいするには居住する設備を運んで行く必要があります。火星までは打ち上げから到着までに8ヶ月近くかかります。行ったら、1年とか2年はすごしたいですから、快適な居住空間が必要ですね。
下のビデオの4分19秒くらいから見てください。
この9日の日曜日にDragonはISSにドッキングします。搭載物を荷降ろしします。このBEAMにはISSの乗組員の宇宙飛行士が年間4回ほど入って居住経験を行うそうです。
今回、Dragonは5月なるとISSからさまざまな実験データなどを搭載して地球に帰ってきます。1年間近くISSで過ごし先日帰還した宇宙飛行士の残してきた生活で出た貴重な資料類などが含まれます。
参考:
Fly-Back Booster
BEAM
INSIDE SPACEX'S DRAGON
この打ち上げで、なんといっても注目されたのがロケットの第一段目を海上に浮かべた無人の艀(バージ=英語ではdrone ship としています。小さなしかも波間に浮かんで居ます。)に軟着陸させることです。いままで4回ほど試みて失敗しています。陸上に軟着陸させるのは昨年12月に一回行いこれは成功しています。
下のビデオは9日の成功した時のものです。
下の絵は、ロケットの軌道と第一段ロケットの降下を表したものです。このように海上に回収するのは燃料の節約のためです。第一段ロケットが切り離されてから、打ち上げのあった地点に近い陸地まで誘導することも可能です。しかし、それでは打ち上げに必要な貴重な燃料を回収のために多く消費することになります。それを避けるにはどうしても切り離されてから自然に落下してくる地点で回収することが求められます。ロケットに充填した燃料(液体酸素と液体水素)は搭載した宇宙船「Dragon」を安全にしかもなるべく高い高度にコスト安く運ぶのに使いたいということです。
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現在の宇宙開発では、ロケット打ち上げコストを如何に引き下げるかの苛烈な競争が起こっています。衛星を宇宙に飛ばしたいと希望する国や企業・研究機関は世界に無数といえるほど存在します。安くなれば一挙に注文が殺到します。日本では種子島から打ち上げますが、年に3回〜4回がせいぜいです。コストダウンが図れない状況にあるので難しい。(打ち上げ場所はできるだけ緯度の低い方が有利です。種子島はその点でも若干不利ですね。)日本とアメリカでは宇宙開発の技術力格差が極めて大きいというのが正しい見方でしょうかね。
このElon Muskの会社SpaceX社は、今後ほぼ月に2回のペースで打ち上げを行います。(来月の打ち上げでは日本からの依頼した衛星を運ぶようです。) そして、2〜3年後くらいになると週に一回というようなペースになります。この頃には「宇宙観光」がビジネスとして登場してくるでしょう。1,000万円くらい出すと普通の人が宇宙に行って無重力を体験ができる日がもうそこまで来ているのです。
今回の打ち上げでは、ISS(国際宇宙ステーション)へ物資を運ぶためのDragonカプセルを載せて行きました。多くのISSでの生活などで必要とされる資材・食料、実験器具や素材などを格納したカプセルです。それ以外に大きく注目されている搭載物が「居住空間をつくるための試験設備」expandable habitatを運んだことです。BEAM(Bigelow Expandable Activity Module) と名付けられています。
「宇宙ホテル」の試験機 打ち上げへ
小さく折りたたんだ機材が宇宙に行くと大きく膨らみます。そこに人が住めるかどうかを2年掛けて調査します。下の絵のように膨らみます。素材は防弾チョッキに使われるものと同じらしいです。宇宙ゴミが衝突しても大丈夫である設計になっているのです。今回は実験用のためすこしコンパクトなもので、2年間の実験が成功したらもう少し大きなものを運ぶことになります。これは火星への人間を送り込むときを展望しています。火星に人を送り一定の期間住まいするには居住する設備を運んで行く必要があります。火星までは打ち上げから到着までに8ヶ月近くかかります。行ったら、1年とか2年はすごしたいですから、快適な居住空間が必要ですね。
下のビデオの4分19秒くらいから見てください。
この9日の日曜日にDragonはISSにドッキングします。搭載物を荷降ろしします。このBEAMにはISSの乗組員の宇宙飛行士が年間4回ほど入って居住経験を行うそうです。
今回、Dragonは5月なるとISSからさまざまな実験データなどを搭載して地球に帰ってきます。1年間近くISSで過ごし先日帰還した宇宙飛行士の残してきた生活で出た貴重な資料類などが含まれます。
参考:
Fly-Back Booster
BEAM
INSIDE SPACEX'S DRAGON
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