Greece’s Economy Is a Lesson for Republicans in the U.S.

NYT Paul Krugman
Greece’s Economy Is a Lesson for Republicans in the U.S.

ギリシャはアメリカではマイアミを少し超える程度の経済規模で大したことはない。しかし、地政学的観点からはアメリカの行方を悪くする可能性も持っている。

いつかアメリカにおいてもこのような事態に陥る可能性があるとの観点からの議論において過大な評価をしている。低所得者層を救済するのはいい加減にしないと駄目だ、失業率を抑えるためにこんなにドルを発行しては駄目だーとの議論がある。
ギリシャを恐ろしい経済的な過ちを犯した国と見なす風潮ができているが...

ギリシャ問題から本質を学ばねばならない、二つのことを注目しよう。
ひとつ。ギリシャの負債問題を捉えて、時の経済政策に反対の勢力はアメリカも同じ道をたどっていると唱えていた。2010年の時には「金利が急上昇しインフレが吹き荒れる」と吹聴した。しかし、そんなことは怒らなかった。それで、翌2011年にも金利の急騰とインフレへの道を警告したがご覧のとおりだ。
ふたつ。「過大な借金、そして度を超した政府負債が今の危機をもたらいている」という分析を皆聞かされている。しかし、それは極めて不完全な分析なのだ。ギリシャは実際に過大な負債にまでは行っていない(その負債は無責任な貸し手たちからのものでもあるのだ) 実際、負債は大きいが、歴史的な大き差というほどのものではない。ギリシャの負債を破滅的にしたのは、ユーロという通貨のために「負債が大きくなった国が通常取るべき手段をとれなかった。」ことにあるのだ。経済危機に陥れば緊縮財政はとるが、他方では金融を緩和して不均衡を防ぐのだ。

最初の危機が発生した、2009年におけるギリシャの状況はGDP対比で130%の政府負債であった。とても大きな数値だが、これは終戦の翌年1946年のアメリカと同じであり、イギリスはその倍の数値だった。

現在は170%になっており拡大し続けている。原因はギリシャが借金を増やし続けているからだろうか?ギリシャの負債金額は2009年に比べて6%しか増えていないのだ。GDPの負債率についていうと、実はGDPが20%も落ちたからなのだ。何故?貸し手たちがギリシャに緊縮財政を強いてきたからである。

危機に陥った時の防衛策は緊縮財政なのだろうか。1990年代のカナダを見てみよう。このときカナダは成長を維持し失業率を減らすことで負債を削減したのだ。緊縮財政と金融緩和という政策をとったことで実現できたのだ。民間部門の支出を呼びこむためドラスティックな金利低下策を実施し通貨の切り下げを行い輸出を促進したのだ。

ギリシャは自国通貨を持たないのだそれができない。つまり、ギリシャの問題は緊縮財政だけで成っているのではない。金融の自由の無い緊縮財政が成している技なのだ。(金融緩和や低金利政策を取ることが出来ない。) 「有毒な政策」しかとれないのだ。

# アメリカでは、共和党の多くがギリシャの失敗の轍を踏む方向を向いている。そんな政策をとってはならないとクルーグマンは強調している。

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