Almost Time for Pluto’s Close-Up

Almost Time for Pluto’s Close-Up (NYT)

もうすぐ冥王星に探査船が再接近するので勉強のため読んでみました。
The New York Timesの記事です。

月曜日の時点で冥王星探査船 New Horizons は月と地球の距離の25倍に相当する距離にいる。しかし、急スピードで冥王星に近付いている。再接近は14日の朝7:50(EST 日本とは時差+13時間)ころの予定。このとき、冥王星表面から12,480キロ程度まで接近する。(同じ距離をマンハッタンからセントラル・パークを望遠鏡でNew Horizonsが見たらそこにある池が見えるくらいの近さである。)
冥王星は、85年前にClyde W.Tomboughによって発見された。当時は夜空に単なる小さな点としか見えない程度の星である。おそらく冥王星表面は火山がふきでるようなところだろうと想像されているが、今まではなんら見ることが出来なかった。また、窒素とメタンの霞と雪だるま的な大気が渦巻いていると想像されている。
地球などのように岩石質の惑星、木星のようなガス質の惑星、そして「第三層」と呼ばれるカイパー・ベルト帯に冥王星は属するのだ。そこにある星は氷の世界である。地球などに近づいてくる彗星のあるものはこのカイパー・ベルトから来ていると考えられている。

New Horizonsには発見者Tomboughの遺骨の灰が積み込まれたり希望した434,000名の名を刻んだCD-ROMなどが積載されている。

最新の調査では冥王星には既に発見されている5つの月(Charon以外の4つは小さな月である)以外に月は見えていない、また航行を阻むような瓦礫のような飛行物も見られない。(超高速で進んでいるのでたとえ小石のようなものでもぶつかったら大きな障害になる)

この探査計画が始まったのは14年前、そしてNew Horizonsの打ち上げは2006年だった。
冥王星は、他の8つの惑星に比べると小さいので「準惑星」と定義される。

冥王星は約2,368kmの直径で地球の月よりも小さい。軌道は楕円で他の惑星とことなり斜めに傾いている。構成物は3分の1が氷、3分の2が岩石である。(木星、土星、天王星、海王星はガスで構成)

1978年にW.Christy が冥王星の月 Charon(カロン)を発見し名づけた。Charonは冥王星の質量の8分の1あり、地球の月はその81分の1であるので小さい冥王星に対して驚くべき大きさである。巨大な惑星衝突がありそれがこのような大きなカロンという月を創造したのだろう。
しかし、冥王星とカロン(氷の天体)のような存在は太陽系では存在が1992年までは確認されていなかった。92年に二人の学者が海王星の軌道に小さな氷の天体物を発見するまでは。
しかし、今はカイパーベルトに多くの天体物が発見され数百万単位以上の存在が想定されている。ガスと宇宙のちりが合体・融合することで惑星や彗星などが生まれるとされる不思議で魅惑的な場所に冥王星はある。

再接近時には7つの装置が冥王星とカロンの詳細な観察を行う。写真は多くのポイントから撮影するので地形図的な写真を作ることが可能になっている。また、「分光計 spectrometer」が冥王星とカロンの表面の物質構成の幾つかを特定するだろう。

New Horizonsの到着時、カロンが冥王星の夜の時間に当たるので冥王星にもし誰かが居れば夜の空にカロンを眺めることができる。そして、カロンの発する光が冥王星側に映り撮影する写真に十分な光量となる。夜の冥王星と太陽光での冥王星(3日前に撮影する)の同一地点を撮影して比較できる。
冥王星に雪が降っているのかどうか、大気中の窒素とメタンが極度に低温となる夜の状況を観察できることになる。

カリフォルニアにあるNASAの70Mある電波レーダー皿から冥王星に信号を送ってそれをNew Horizonsが受けて地表の電波反射度合いを測定することも行う(New Horizonsは再接近時には非常にBusyなので地球からも応援する)

再接近の日はNew Horizonsは撮影など情報収集に集中し地球への情報送信は必要最低限以外は行うことができない。
冥王星から地球までの電波が届く時間は4時間半かかる。14日は9時PM(EST) ころから交信再開となる。最初の写真が送られてくるのは翌日になる。収集したデータが完全に地球に届くまでには1年半を要するだろう。(※データ送信にさまざまな事情があるらしい)そして、全てのデータが分析されて冥王星の新し解析理解がなされるまでには数年を要する。

カイパーベルト帯
冥王星を過ぎたら、次にNew Horizonsは天文学者たちが”cold classical Kuiper belt”とよんでいるカイパーベルト層の20〜30マイル巾の二つの小さな星に向かう。45億年前の太陽系誕生時以来変わることなく円軌道かた水平な運行をしている。(冥王星は楕円で傾いている)

New Horizonsが発見できないもの、それはカイパーベルト帯の彼方にあるものだろう。Dr.Brownは準惑星Erisの発見前に準惑星Sednaを発見している。このSednaは楕円軌道をえがいているのだが太陽に最近時点でさえカイパーベルトより先にあり最遠点では太陽と海王星の距離の31倍も遠い。
Sednaとそれに近い軌道を描く星(object)も発見されたのだが、これらの軌道に不思議なところがあり、推定するにカイパーベルトの外縁付近に地球に数倍する大きな重力がある可能性が推定されている。まさに真の太陽系9番目の惑星の可能性がある。(まだ、論争中で結論には達していない)




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